ゴッホ『郵便配達人ジョゼフ・ルーラン』

フィンセント・ファン・ゴッホ 郵便配達人ジョゼフ・ルーラン 1889年 豪快に蓄えた髭に、仕事用の青みかかった制服。背景には、彩り豊かな花が描かれている。この明るい雰囲気の『郵便配達人ジョゼフ・ルーラン』という肖像画は、…

ロウェル・ヴァージ・ハリソン『クリスマス・イヴ』

ロウェル・バージ・ハリソン「クリスマス・イヴ」

ロウェル・バージ・ハリソン クリスマス・イヴ 1918年頃 雪景色の上空に、満月が浮かんでいる。奥に広がっている水面は湖だろうか。水面に反射する月明かりも繊細で、民家の灯りは優しい夜のひとときを連想させる。 絵の作者は、…

ゴッホの耳切り事件

印象派や日本の浮世絵の影響を受けながら、独自の画風を築き上げていったゴッホは、よく「狂気の画家」と称される。 それは、ゴッホが、精神的に不安定で、晩年には病院で療養しながら絵を描いていたこと。また、夜空やひまわり、糸杉な…

モネ『印象・日の出』

クロード・モネ 印象・日の出  1873年 霧に包まれ、ぼんやりとした日の出頃の光のなかに、海と数隻の船、そして港が描かれている。この『印象・日の出』は、発表された当初こそ、「印象を描いただけの未完成な絵」と題名を揶揄す…

ゴッホ『花咲くアーモンドの木の枝』

フィンセント・ファン・ゴッホ 花咲くアーモンドの木の枝 1890年 ゴッホの花の絵と言えば、代表作として『ひまわり』が挙げられる。誰もがどこかで一度は目にしたことがあるだろう、力強く、各々の個性が見える、花瓶に挿されたひ…

庄田耕峰『A Country Scene』

庄田耕峰 A Country Scene  20世紀前半 月が綺麗な夜、というものがもたらす独特の美しさがある。 英語の「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したという夏目漱石の話は、詩的な伝説ではあっても、本…

川瀬巴水『大阪天王寺』

川瀬巴水 大阪天王寺 1927年 古い建物の前に、背を向けた人物。夜空からは静かに雪が降ってくる。しんしんと降る。この絵のなかの雪を見ていると、雪という現象の儚さを改めて教えられる。 作者の川瀬巴水は、大正から昭和にかけ…

ヴィルヘルム・ハンマースホイ『若い樫の木』

ヴィルヘルム・ハンマースホイ 若い樫の木 1907年 19世紀後半から20世紀頭にかけてのデンマークの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの作品に、『若い樫の木』という風景画がある。 ハンマースホイと言えば、誰もいない室内や…